MEMO

2024年9月の投稿1件]

2024/9/21 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

リカルドさんの人生で「抱きたい」ではなく、「守りたい」と思わせた女性はアンジュさんだったのかもしれない。

男性が女性に抱く感情がすべて性的なものではない、というのは重々承知のうえで思うのですが、リカルドさんにとってアンジュさんに出逢うまで女性は「己に劣情を抱かせるか否か」だったんじゃないかなぁとかじゃないかなと思っています。
リカルドさんはあの見た目かつ経歴なので、各地で浮名を流す…とまではいかずとも、それこそ各地方にいい関係の女性(恋人ではなく馴染みの娼婦なりなんなり)がいたはずなんですよ。というかいる。
そんなリカルドさんにとって、女性という区別はいち人間として尊重すべきものだと理解しているも、基準としてはあくまで自分基準(=いい女かどうか)というものだったのではないか。
もちろんこの世の女性がすべてそういう対象ではないけど、彼の中にある一個の価値観だったのではないか。


そしてその価値観を全部ひっくり返したのが、アンジュさんなのではないか。
自分を攫いにきた傭兵に逆に取引を持ち掛けてきた胆力の持ち主。見た目はたおやかで、いかにもシスターな風貌。
細い腕で前線に立とうとするくせに、運動は嫌いでダイエットと美食を天秤にかけては毎回美食の方へ転ぶ。聖職者然とした物言いをするかと思えば、子供みたいにわめいてみたりもする。
前世と完全に折り合いをつけたような顔をして、毎夜金色の影におびえて震える。

20歳の女性という、大人と少女の合間にいるアンジュさんを、リカルドさんは守りたいと決めたんじゃないか。
ルカたちと同じ夢を食って大きくなる子供として、世界を救おうとする少年少女を導く大人のひとりとして、アンジュさんを支え時には叱咤し背を押したいと思ったのではないか。
アンジュ・セレーナという女性は、それだけリカルド・ソルダートという男の価値観を壊したのではないか。

もちろん、アンジュさんひとりだけがリカルドさんを変えたというわけではないです。
それこそルカたちと出逢い、一緒に過ごし、ガードルという前世の兄との再会を乗り越えた先に得たものです。特に子供たちの夢をかなえてやりたい、とかはルカたちに起因するものですし。
ただ、彼の中の「成人女性」への考え方を変えたのは間違いなくアンジュさんだったのではないか。

ということを改めて考えていました。

傭兵と聖女 編集

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